旧M邸
- Date
- 2024
- Location
- 岐阜県
- Type
- 住居
- Floor area
- 125m2
- Contractor
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堀田建設
- Text
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建築家が90年代頭に建てた自邸を、新たに取得した施主夫妻のために改修を行った。しっかりしたコンクリートブロック造の矩形の箱に、矩勾配の軽快な折板屋根がのった住宅だ。解体や設計を進めるなかで、次のように解釈されていった。11階では南北方向に開き、2階ではその東西方向に開いている。2階からは周辺の屋根並みと周囲の山が見える。1階において、中央の3本の丸柱は北(くだり)側と南(のぼり)側を分けている。異なる性質で一室空間内を分けつつも、それらを重層させている。温熱環境や地下の湿気に対処しつつ、この特徴を損なわないように、床の見切りや、新たな建具、ルーバーを加えていった。
新たに設計した部分は、なるべく覆い隠すことをせずどのように手を加えたか分かるような方法をとっている。ただしそれらが既存の建築から浮かないように、コンクリートブロックの寸法や、RCの寸法、屋根形状等を参照しながら形や寸法を決めていった。この建築が次に手を加えられるときに、どのような部材がどう組み合わさってできているか分かるようにすることは施主が望んだことでもあり、この住宅が生き延びるためにも重要であった。