kan
- Date
- 2025
- Location
- 名古屋市中区栄5-14-5
- Type
- アパレルショップ
- Floor area
- 19m2
- Text
-
kanは2020年にアパレルブランドをスタートさせ、オンラインショップやPOP UP STOREなどのイベント出店、セレクトショップの卸売をメインに活動してきた。そして4年間の活動を経て名古屋に拠点となる実店舗をオープンすることになった。
元々ワンルームの住居だったビルの一室を店舗に改修する計画である。施主からは都度ハンガーバーや棚の高さを変更できること、限られた面積を窮屈に感じさせないことが要望として挙げられた。北側に接道開いた掃き出し窓がある。現地調査をした時、夏場のこもった暑い空気と暗い室内でも窓から外を見ている間は気が晴れ、この空間で重要な役割がある開口だと実感した。
アパレルショップでは服を陳列するためのハンガーバー、棚、在庫収納が必要となる。これらを部屋の壁天井床と切り離して独立したものとし設計して配置しようとすると、狭い室内に必要なものたちが押し込められたような窮屈さをどうしても感じた。そこで店に必要な機能を包括し、室の外形を変えていくような、什器と空間を一体とした造作を検討した。
kanではこれまでの4年間に制作したコレクションを普遍的な装いとして制作年に関わらず店頭に並べる。面積19m2の中で多くのコレクションを効率よく陳列するために、両側の壁沿いに商品を並べる計画とした。ハンガーバーや棚を支持するために30×60mm角の木材が2本組で束ねられ、開口部に向かって連立し、天井よりも上に伸びて上端が見えない。壁際の木材が袖壁のように軽く空間を分節しながら反復し、19m2の室内に奥行が生まれると考えた。