analogue

八幡山の住宅

Location
愛知県名古屋市
Type
住居
Floor area
109㎡
Contractor
誠和建設
Photo
セミフォトグラフ
Text
雑木林の縁に建つ3階建ての住宅である。
敷地はクヌギやカシ、アベマキなどの雑木に周辺を囲まれており、また敷地内には3m近くの高低差があった。高低差がある敷地に建物を建てる場合、接道と敷地の間に土留擁壁を建設し、敷地を高く造成することが一般的である。そのような造成が繰り返され、周辺は建物が建つごとに道に対して擁壁面が立ち並ぶ様相となっていた。
この住宅は、傾斜部に敷地の土を留めるように、高さの異なる建築の基礎を打設している。接道には山が続いていくような様相を作りつつ、建設コストを下げる建て方を目指した。構造材となる基礎コンクリート、梁や柱の形が室内に現れている。梁にモビールを吊るしたり、基礎の段差にリモコンを置いたり、構造が日常の生活にも参加する風景を提案した。

またこの敷地では方角により様々な風景を見ることができた。周辺の雑木林をはじめ、地面に近い箇所では山の地肌、街路樹や隣地の庭の桜の木、1キロ先の山などである。
更地の状態で体感した様々な風景を建築の内部に取り込むことを意識し、窓の高さや大きさ、床の高さや位置を検討した。周辺の緑や空を複数の視点場から眺めることができる住宅となっている。